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地理調査法(人文編)
この科目は人によって取り上げるテーマが異なるので、使用する統計データも異なります。
ここに掲載しているのはあくまでも一例です。テキスト執筆者の山口不二雄先生の資料も参考に。
設題は、下のようにグループ分けが出来ます。
設題1 | 学術論文に触れる(設題5に備えて目次の形式も参考にする) |
設題2と3 | 他人が作った統計データを基にグラフ(設題2)と地図(設題3)を作成 |
設題4と5 | 自分で作った統計データ(設題4)を基に卒論目次案を作成(設題5) |
設題1~3での経験が、設題4~5で活きてきます。
この科目は、2000文字を意識する必要はありません。
設題1(読書ノートを作る)
日本地理学会『地理学評論』、人文地理学会『人文地理』、経済地理学会『経済地理学年報』などの、地理学分野の「学会誌」に掲載された、人文地理学に関係する論文を取り上げ、その読書ノートを作成せよ(「読書ノート」は論文を的確に要約し、その内容に関してコメントすることを主目的とする。テキスト参照のこと)。
さあ、卒論への入口。ここでは論文に触れるのが目的です。
下は『人文地理』に掲載された論文です。①~⑤のような項目が記載されています。
読書ノートに決まった書式はありませんが、 「あの時読んだ文献の内容って何だっけ?」という時に力を発揮します。 パソコンでデータベース化してもいいし、カード形式で記録に残す人もいます。データベースにした場合、あなたならどんなキーワードで検索しますか?文献名、著者名、あるいは「バラ農家」とか「人口比率」とか。自分が検索するであろう言葉をキーワードに記します。
記録しておきたい情報例:
タイトル、著者名、収録(雑誌名など)、発行機関、目次、読書メモ、感想等
設題2(グラフを作る)
人文地理学に関係する統計に基づき、適当なテーマで適当な形式のグラフを作成し、そこから読み取れる内容を解説せよ。
卒論では、フィールドワークで得たデータを基にグラフや地図を描きます。この設題では、既存の統計データを入手し、グラフを描く技術を身につけます(Excelのグラフ作成機能を使うと便利)。「適当なテーマで適当な形式」なので、自分の好きなテーマで、自分が作れる形のグラフや地図で構いません。グラフの元ネタとなる統計データ(Excel表)も忘れずに添付します。
統計資料の入手先の一例
※図書館や総務省統計局等から入手出来ます。 |
設題3(地図を作る)
人文地理学に関係する統計に基づき、適当なテーマで適当な形式の地図を作成し、そこから読み取れる内容を解説せよ。
統計データを入手し、地図を作成します。手描きでも地図ソフトを使っても構いません。設題2と同じ統計データを使うと、グラフと地図の関係が分かりやすいです。
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設題4(調査票を作る)、設題5(論文目次案を作る)
【設題4】 人文地理学に関係する適当なテーマで調査票を作成し、その調査目的、調査方法、質問の趣旨と配列原理、結果のまとめ方を解説せよ。
【設題5】 人文地理学に関係する適当なテーマを取り上げ、それに関する論文の目次案を作成し、解説せよ。
設題1では「論文の目次」を見ました。
設題2~3を通して、統計データを基にグラフや地図を描く技術を身につけました。
ではここからは、あなたが将来書く卒論をイメージしてください。設題4は「自分で統計データを取る」にはどうすれば良いか?を考えます。
- どんなテーマの卒論を、どんな風に展開したいですか?(目次案:設題5)
- 卒論目次案(設題5)を作る(議論を展開する)ためには、どんなデータが必要(設題4)ですか?
- そのデータを得るためには、どんな調査をすれば良いですか?(調査票の作成:設題4)
設題4と5は、同時に取り組むのがオススメです。もし漠然とでも卒論テーマが決まっている人は、一次指導のつもりで取り組むと、有意義なリポートになります。
設題4の例
胡蝶蘭の株姿の大きさや花の色について、消費者の好みに地域性があるのか調査してみたくなりました。商品出荷時にアンケートハガキを商品に同封してもらうことを想定し、この設題に取り組みました。
実際には、商品へのアンケート同封など無理だと思いました。卒論では、返送が不確実なアンケート調査よりも聞き取り調査のほうが確実だと思います。
地理調査法のお薦め文献
それは、通教テキスト『地理調査法(人文編)』です。調査票の書き方(設題4)や卒論目次案(設題5)も記載され、これに勝る文献はありません。
「第4章 現地調査の方法」に調査票や調査依頼状のサンプルが掲載されています。
「第6章 論文書き下ろしの技術」に、論文の構成や目次例が書かれています。何の項目に何ページ割くのかも書いておきましょう。